連れ合いが家にいる時は母を看てもらえるので、終日野良仕事をした。降るかも知れないという雨は望めず、水やりも大変だ。大根や水菜の間引きをした。ずいぶんと雨が降っていないので成長が遅い。しゃがんでの作業は腰にくる。高設栽培が増えているのは農作業を楽に効率よくしたいからなのだろう。村でも腰が曲がり二つ折れになった身体を時々立ち止まっては伸ばし、また折っては地面をなめるように歩くおばあさんの姿がよく見られた。よくまああんなにうまく歩けるものだと感心させられる。それが農家の勲章のようにも見え、また痛々しくもあった。そういう人達も最近あまり見ないのは、私の母のようにデイにでも行くようになったのだろうか。たとえ認知症になっても縁側でひなたぼっこをしながら、日がな一日庭の木々や行き交う人を見て暮らすのも本人がよければその方がいいような気がする。その分見ていてあげられる者がいないといけないのだが。
水菜の中にタデが赤い花を咲かせている。サラダ水菜の間引きは生でいただいた。