劇団「時空」の「大化改新」を山形で上演して欲しいと依頼を受けた。山形の市民ミュージカルが「蜂子の皇子」という舞台を飛鳥で上演したいと数年前から準備をしていたのだが、コロナで実現しなかった。それでもこれを機会に交流の舞台を山形で持ちたいと準備していただいた。
崇峻天皇が馬子に殺されて息子の蜂子の皇子は馬子から逃れて北を目指す。越の国からさらに北へ、蝦夷の国であった今の山形で八乙女が踊る姿にこの地と決めて留まり、やがては出羽三山の開祖となったという言い伝えがある。山形では蜂子の皇子はスーパースターのようなもの。
このような話は声が掛かるまで知らなかった。蜂子の皇子って誰?という感じであった。こういう縁があって鶴岡市で上演されるミュージカルの後、公演して欲しいということであった。
10月29日、メンバーは7名、舞台パネルと音響機材等を積み込み車2台で山形へ走った。約800キロ。10時間で走りきった。土曜日と言うこともあり近畿道、第2京阪、京滋バイパス、名神、北陸道とすいすい走った。何箇所も工事で一車線規制があったが、それでも渋滞することは無かった。
会場の鶴岡市中央公民館に機材を仕込み、その夜はビジネスホテルへ。翌日、午前午後と2回公演。その後向こうの方の案内で出羽神社へ案内してもらった。小雨の中、本殿は山頂の素晴らしい森の中にあった。本来なら2千数百段の階段を詰めてお参りするのだが、時間なく車でショートカットしてもらった。
その後薄暗くなってくる中、国宝の五重塔へ歩いた。荘厳な力強い塔は圧倒的な存在感がある。来て良かったと思う姿だった。