稲渕の集落の外れ、飛鳥川に小さな落ち込みがあってそれをモミジが覆っている。カメラマンならよく知っている撮影ポイントだ。30年ほど前に日本の米カレンダーだったかに使ってもらったことがある。それ以来何度も雑誌などに使わせてもらった。モミジの少ない明日香では川辺の貴重な景観だ。
毎年12月にならないと紅葉しない。日陰であることも影響しているのだろうか、先日行ったときもまだ緑が残っていた。上の森は飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社。斉明天皇が雨乞いしたといわれるところだ。
1㎞ほど上流は栢森の集落。さらに芋峠に向かう道にごろ滝が落ちている。数㍍の小さな滝だ。モミジが植えられているが、まだ小さくて滝に絡んで撮影するのは難しい。辺りはスギ、ヒノキの植林で薄暗い。もう少し広葉樹があればいいのだが、このままでは森がダムの役割を果たすことが出来ない。つい100年ほど前にはこんな森では無かった。あまりにも急激に環境が変わってしまった。このままでいいはずがないと思ってしまう。