山では雪が積もっているいい時期なので天川へ走った。黒滝から天川へ入ると雪道になった。虻峠までの道はスタッドレスが心地よく路面を捉えてくれ、今年もまだタイヤが使える状態であることを確認した。
峠の駐車場に車を置いて身支度をして吊り橋を渡る。実はこの山に登ったことは無い。大峰山系は吉野からの縦走を含め大概登っているが、観音峰のような前衛の山は行っていないところもある。標高は低いが稲村ヶ岳からバリゴヤの頭までの眺望が素晴らしいので雪の多いときにと登る気になった。それと膝の痛みが改善されているのか確かめたかった。
橋を渡ると杉檜の植林の山に入る。10分ほど上がるととうとうと流れる湧き水がある。「観音の水」と書かれている。有り難い水のようだ。展望のきかない雪の山道を黙々と詰める。50分程で植林を抜け見通しがよくなる。鳥居が立っていて小屋がある。ここで小休止。ここから急登となり雪も深い。土曜日ということもあって登山者がいるため道はトレースされていて辿っていけばよい。アイゼンも付けずに快調に展望台に着いた。吊り橋から1時間20分だ。
ススキが広がる原に石碑が建っている。残念ながら稲村は見えない。弥山方面もガスっている。時々日差しがあるのだが山が見えない。ザックを置いて、ピークに向かう。霧氷が少しだけ付いている。斜面を登りながら探ってみるがいい被写体は見つからなかった。その間にも山が見えるのでは無いかと気になり、また展望台に戻る。
そうこうしているうちに昼となり、おにぎりを食べる。コンロを持つ代わりにお湯をサーモスに入れてきたのでカップヌードルを作る。これが十分に使えた。暖かいヌードルは有り難い。周囲でもグループは鍋でうどんを作っている。冬山に限らず暖かい食べ物は楽しみのひとつだ。
そのうち山が見えてきた。青空が広がってくれればいいのだが、なかなか思うようには見せてくれない。結局弥山は見えなかったが、それなりの展望を楽しめた。
帰りは快調に飛ばして展望台から35分で下った。空になったサーモスに観音水を忘れずにいただいた。これで珈琲を入れるとすっきりとした味わいになった。