西行庵
 撮影会で吉野に行った。桜葉の多くは散り、残るものも色はもうひとつだ。カエデはまだ紅葉に早く、今年は見栄えが少し悪そうだ。駅から七曲がりを撮影し、車で金峰神社に向かった。
 西行庵まで歩くと石段の横に金属の手すりが付いていた。今年作ったのだろう。世界遺産に指定されたからだろうか。あまりいたれりつくせりにしてしまうと西行は喜ばないだろうに。手すりは谷側でなく山側についているので少しは景観に配慮したのだろうか。だがその風景にどうしても馴染めない。西行が遠くに行ってしまいそうだ。崖にへばりつくような山道だが、西行庵への大切なアプローチなのに…。
 下りきると俗世を離れた場所だ。庵前のカエデは緑の中に赤黄色の葉が混じり鮮やかに、足下にはしっかりとした根が地面を這っている。庵の中の西行は今年も来たのかと無言で応える。何も語らず暫し瞑想するにふさわしいところだ。来てよかったと、参加者も皆楽しんだようだ。
 一枚の桜葉、風にハラハラと揺れる、まるで自分のようだと思った。
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# by asuka-ji | 2005-11-10 16:38 | 日々 | Comments(2)
暖かい日
 暖かい日が続いて、家にカメムシが押し寄せた。ベランダに出るドアを開けるとバラバラっと落ちてくる。何もしなければそんなに臭わないのだが、ちょっと触れたり刺激を与えると猛烈な匂いを出す。晴れた日の洗濯物はよほど注意をしていても畳んだ中から出てきたりする。また山形を思い出した。森敦の「月山」の舞台。カメムシが主人公の部屋に出てくる。それも半端な量ではない。それがリアルな表現だと感じたのは、取材で山形に行ったときのことだ。泊まった月山麓の旅館では毎年カメムシ対策のため建物に薬剤を散布するのだという。上には上がある。これはまた大変なところだと感心してしまった。
 ずるずると引きずっていた風邪がようやくましになった。体調管理は自己責任だ。気をつけねば。知り合いの方の訃報を聞いた。ご冥福を祈ろう。
夜明けの御岳
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# by asuka-ji | 2005-11-08 15:18 | 日々 | Comments(1)
文化祭
 日曜日まで明日香村公民館で文化祭が行われている。各分野の趣味の発表と指導する講師の方の作品が並んでいる。一生懸命さが伝わるもの、「ほうっ」と感心する作品あり、ごった煮の楽しさがある。
 誰でも何か作ろうとするときに、まさに向かう自分と、もう一人少し引いた位置から見ている自分がいるように思う。ほとばしる情熱や感情をぶつけていくエネルギーと、客観的に理解し整理しながら組み立てていく冷静な眼。このせめぎ合いで作り上げていくような気がするのだ。面白いのだが荒削りで完成度が低いもの、よくできているのだがどこか面白くないもの。何か人の心を動かす作品を作り出すのは容易なことではない。発表の場をそれほど与えられない方たちにとって各ジャンルが一堂に会するのは意味のあることだろう。
乗鞍高原での白樺
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# by asuka-ji | 2005-11-04 17:10 | 日々 | Comments(4)
霜月
今日から霜月、11月だ。朝6時半、真弓から佐田の丘陵が白いベールをまとったように見えたのであわてて家を出たが、それはもっと遠く金剛山系の麓、風の森峠の方だった。佐田といえば村の鎮守さんにある束明神古墳が陵墓に比定されると立ち退きになるやも知れんと、住民がそれを壊して隠したという話を聞いたことがあった。うろ覚えだが村人は殆ど同じ姓で的場だったような気がする。草壁皇子のこともよく知っておられた畑仕事のおばあさんが話し相手になってくれた。
その束明神が今日の朝日に載っていた。確か今日…、だと思う。何せなんでもうろ覚えだ。佐田の丘陵は飛鳥の関所のような役割を果たしていたようで、近くから物見櫓のような建物跡が発掘されている。重要な場所だったようだ。周辺を歩いてみるとよくわかる。
まあ、そんなことでそちらには向かわず、コスモスやススキを撮った。門脇先生がこだわっておられた宮跡から見上げる多武の峰、その辺りをもう一度見直して歩いた。
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# by asuka-ji | 2005-11-01 17:02 | 明日香 | Comments(2)
赤い柿
 同級生の作品展を見てきた。時空の公演を何度か観てくれている人で、万葉集の歌と絵が描かれてあった。私の好きな思ひ草や、かたかごの花があった。高校の頃の歌との出会いを今見つめ直している風に見えた。自立した女性だ。
 時空の練習があって、寸劇の配役の確認をした。大学受験で都合のつかないY君にかわって中大兄は女子校生のFが演じる。私も新しい台詞を覚えねばならず、気合いをいれないと…。
 久しぶりに畑に出ると、仕事が待っていた。ほっとするひとときだ。田んぼはほとんど稲刈りが終わり、風景が変わった。夕方、わずかに残る柿を摘んでいるとカエルがいた。赤い柿に緑のカエルは印象に残った。
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# by asuka-ji | 2005-10-31 12:03 | 日々 | Comments(4)
別冊「太陽」飛鳥が
 撮影旅行から帰ると 別冊「太陽」飛鳥が届いていた。いい本が出来たと思う。扉の写真を見ながら門脇先生と明日香をまわったときのことを思い出していた。ちょうど一年前だ。畑のみかんを摘んで差し上げると香りが違うと喜ばれて、一つは奥さんにとポケットに入れられた。いい本にしたいと強調されていたが、出版まで一年かかった。何点かは撮り下ろしとなったが、その後出版社から何の連絡も無く、もう頓挫したのかと思っていたら夏にフィルムをと言われた。後から考えれば時間は十分にあったわけで、もっといい時期に撮影しておけばよかったと思う。日々これ反省。乗鞍高原、開田高原の撮影会はとにかく疲れた。
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# by asuka-ji | 2005-10-29 15:14 | 日々 | Comments(7)
明日から信州へ
 別冊「太陽」飛鳥が今日25日発売?されるようだ。明日香の資料として役立つかも知れない。これを見た方はお買い上げを。CMをしてしまったが、こういう仕事をするともっと深く明日香を撮らなければと反省することしきり。いいかげんな取材ではだめだと思う。心しているつもりなのだが、つい日常に流されてしまう。恥ずかしいかぎりだ。
 劇団員から連絡あり、来月の寸劇に出演出来なくなったという。急遽配役を変更数合わせをしなければ演じられない。こうなると出来不出来の問題どころではなく、公演中止ということにもなりかねない。そういう理由でまた違う役を演じるはめになった。台本も変更したばかりで台詞が混乱する。頭の痛いことだ。
 まだ風邪が治っておらず喉が痛いのだが、明日から信州へ撮影旅行だ。今年は紅葉も少し遅れているとのこと、だが気温はぐんと下がって標高1,500メートルぐらいだと氷点下にもなりかねない。だがまた新しい出会いがあるだろう。
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# by asuka-ji | 2005-10-25 18:13 | 日々 | Comments(4)
頭を短く切った
 頭を短く切ったものだから風邪をひいてしまった。子供でもないし笑われるかも知れないが、昨日今日の冷え込みは体調を崩すほどだった。喉が痛い。
 依頼のあったポジ探しをしていたらあっという間に半日が過ぎた。何せ整理が下手なものだから、撮った覚えがあっても出てこない。出版社から戻っていないものが多くて、余計に混乱してしまう。きちんと整理しているカメラマンはインデックスからいとも簡単にフィルムを出すらしいが、いつお金になるとも分からない膨大なフィルムをうまく整理するすべを私は持ち合わせていない。というより単なる怠け者なのだろう。そしてまた依頼があってもう一度一から探すはめになる。今日も日が暮れた。
 コスモスが見頃だ(雷)
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# by asuka-ji | 2005-10-21 18:51 | 日々 | Comments(3)
大化改新
 寸劇の台本を手直しした。「大化改新」飛鳥時代の大きな政変。これ抜きには語れない出来事だろう。このほど実施された国勢調査の始まりも起源はこの頃になる。役者の数や場面の制限等、寸劇はいろいろと制約が出てくる。早く練習しないと来月の公演に間に合わない。
 「南淵請安」で請安が水路を造り雨乞いをして村人を助けたという設定にしたら、それがまるで史実に基づいたことであるかのような印象を受けた方が多くて、請安はこういう人であったとあちこちで書かれ語られている。まあ、うれしいことなのだが、請安の庵も朝風峠にあったと思っている方もいる。これはこれでいいのだろう、と思うことにした。
舞台のラストシーン
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# by asuka-ji | 2005-10-20 12:33 | 劇団時空 | Comments(0)
クラブの写真展
 指導しているクラブの写真展が始まった。奈良市写真美術館で23日まで。13年目ということを考えれば、もう少しレベルアップしていてもいいのではと思うが、楽しんで撮影することの方が大事なのだからこれで良しとしよう。初日は大勢の方に来ていただいた。メンバーそれぞれの知人が見に来られ楽しんでおられた。必死になって競い合うクラブではない。人柄の良さがうかがえる作品が並んでいる。それでいい。だから続いているのだと思う。
細川の棚田
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# by asuka-ji | 2005-10-19 19:01 | 日々 | Comments(0)



写真家・上山好庸
(社)日本写真家協会(JPS)
会員
昭和25年明日香村生まれ。
48年中京大学卒業。
奈良新聞社を経て写真家を志す。
61年フリーとなる。

※写真の無断転載はご遠慮下さい。
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