家の裏の竹薮にタケノコが出ている。孟宗竹より1〜2ヶ月遅れで生えてくる。密生したところには出にくく、生えてほしくない所にどんどん出てくる。一日で1メートル程伸びる奴もいる。食用にもなるのだがあまり食べられない。春のタケノコとは少し香りが違って、灰汁抜きをせずそのまま煮て食べることが出来る。出始めに一度食べたきりだ。どんどんいろんなところに根を伸ばすのでやっかいものだ。竹になる前に倒して行くのだが、いつのまにやら5〜6メートルになっている。そうなると竹の皮が落ちる。子供の頃この皮を拾い集めたものだ。この皮を買いにくる人がいた。肉屋さんでは皆この皮か、木を薄くひいたものに包んで売っていたのだ。子供の弁当をこの竹の皮に入れて持たしたことがあった。今見るとなんとなく格好がいい。風呂敷といい、少し前は皆知恵を働かせてうまく物を利用した。竹の皮の内側の滑らかさを手でなぞりながら、そんなことを思った。