山辺の崇神天皇陵近くを走っていたとき、過ぎては流れさる風景に歌のフレーズが浮かんできた。これは何なのだろうと繰り返しくりかえし口ずさんでみたが、形にはならずついに消え去った。左遠くに二上山がかすんでいる。ちょうどこの辺りは少し高台になっており、帰りには三輪山、前方に大和三山、少し右に二上山が見える。竜王山から三輪山につづく青垣山は麓に多くの古墳を抱くところ。松本清張の「火の道」にも出てくる。この道を奈良までもう30年以上通っている。この国道169号と24号のどちらを通ってもいいのだが、山辺の道に沿ったこの道路は少し眺めが良く性に合ってるような気がするのだ。ふりかえればフリーになってもう今年で20年になる。そろそろ事務所をたたんでもいいのかも。
いやいや、その歌のことなのだが、何か浮かんだのだ。舞台で舞う役者にかぶって、また役者がリフレインする…。よくよく考えればそのメロディー、スーパー歌舞伎「三国志」に流れた北山修の「遠くはなれてはいても、心はひとつ…」の歌に似ていた。何せ音楽のことはからっきしだめなのだから、所詮そんなものだ。
栗原からの夕景