参道を進むと出雲大社は背後に山を背負い、高台の少し窪んだ地にあった。広大な境内は人々を受け入れるおおらかな雰囲気に満ちていた。それは荘厳とか神秘的というような形容は当てはまらない、今まで感じたことのないものであった。あくまで空は広く、天と地が繋がっている。大和と違うこの感じはいったい何なんだろう。そんなことを思いながら境内を巡った。
隣接する歴史博物館では展示物に見入り、あっという間に2時間が過ぎた。宿が遠くにしか取れておらず、やむなく途中から出ることになった。後ろ髪を引かれる思いで宍道湖畔の道を走っていると、日没の時間となった。空には雲が張り神話の世界へと誘うような情景となった。