節分行事があちこちで行われる。行事を押さえるカメラマンは一つだけ選ばなければならない。たとえば興福寺の鬼追いを撮ってから春日大社の万灯会は間に合うだろうが、殆ど一カ所しか行けない。
今日は久しぶりにおんだ祭りへ行ってきた。本気を出すなら9時には行っていないといい場所はないが、11時半を過ぎてから境内に上がった。もう撮れそうな場所はふさがっている。参拝客を入れて撮影したいので階段の上の端っこにスタンバイしている人の後ろに場所取り。2時までじっと立ったまま待った。
こういった待ち時間の長い撮影は、もう撮影という行為ではない。いつ現れるかと待ち続ける野鳥撮影と違って、ただ単に乗車する列車が来るのを待つような、それとも少し違うような気がする待ち時間。それも殆ど身動きできない姿勢で時間が過ぎるのを待った。
この間、天狗や翁が竹のささらで参拝客を叩いて廻るので、撮影はいくらでも神社周辺で出来るのだが、場所取りのため断念しなければならない。そして時が来てカメラに記録した。
初めにお田植え神事が行われる。翁と牛と天狗が現れ、田を耕し、畦こねをして、松葉を苗に見立てて田植えの所作が行われる。松葉とお供え物の粟は舞台から投げて参拝客に振る舞われた。これで1部の神事が終わった。
2部はお多福が登場。天狗とお多福がご飯をお供えして結婚式を挙げる。この後どういうわけか天狗がそのご飯に小便をかける。この意味がよく分からない。
そしていよいよ二人の床入りが始まる。お多福は少しメタボだ。それなりに恥じらい、事を済ます。翁がその姿を隠すような仕草をしていたかと思うと、そのうちにそれを手伝う。ちょっと短いなと思っていたら、続いて2回目。会場から拍手が起きる。2回目は少々大胆で笑い声と歓声がわき起こる。
終えて拭いた紙がまかれ奪い合う。子宝に恵まれるという福の紙。最後はごくまきをして終了。