昨年、石のいくつかが流されて繋がっていなかった飛石(石橋)が整えられた。左岸に生えたネムノキが大きくなり、花を沢山付けている。花の一番いい時を逃してしまった。雨に打たれた残骸がいくつも見えてしまう。
この飛石は牛も渡ったし、耕耘機も通ったことがあると集落の方から聞いたことがある。生活道路の役割を為していた飛石。流されれば皆で修復してきた。例年6月には蛍も飛び交ったが、川の上流に重機が入り川を破壊しているためか、今年は殆ど飛ばなかった。
数百㍍に渡り川を根こそぎ取ってプールを作っている。元々はダムを造る計画があったが、それを断念して河川改修に変えた。プールを作り水辺の広場として保水整備を行うらしい。その工事を行う川底を遡って歩いたことがある。何故河川改修なのか?、よくわからなかった。そのうち大々的な工事が始まった。要はダム建設予算を河川改修という名目に変えて行っているのだ。
「こんなことをしてしまって」と嘆く方は多い。もちろん、その現場を見たなら明日香を知る人は「どうして?」と声に出してしまうだろう。ことあるごとに声に出してきたつもりだ。だがその声は届かない。
人の手で作り上げてきた飛石は美しい。それは人の思いが作り上げたものだからだろう。