雨のあと季節が後戻りした。急ぎの撮影があり京奈和道路を奈良に向かっていると東の青垣山が薄く粉をかぶったようになっていた。気温1度。地方新聞社に寄って打ち合わせをし、事務所に物を持ち込んで夕方まで撮影した。即、画像を現像しデータを届ける。フィルムでは考えられない超特急の仕事だ。帰宅途中、空から灰色のカーテンが降りてきて雪が降り出した。大峰山系が見えなくなっていく。家のそばまで帰り、金剛山を見ると日が落ちた後だろうか稜線が落ちる辺りに薄く色がついている。どういうわけか先日BSで観た「ウイスキー」という映画が頭に浮かんだ。イメージする色が似通っていたのだろうか。霙に濡れながらあわててシャッターを切った。