万葉ホールで舞台の打ち合わせがあり、終わったのは正午。2月末の世界遺産シンポジウムで芝居をすることになっている。800人以上入るホールだ。基調講演とシンポジウムに先だっての公演だ。当初40分の予定が30分にしてくれとのこと。台本も変更し、それようにと思っていたのだが制約をうけてしまった。
午後から生活雑貨とミーの買い物をして遅い昼食をことだまでとった。そこで見た雑誌のコラムに山吹氏がこんなことを書いていた。原稿を手書きでなくパソコンで打つようになってから書いた原稿の記憶があいまいになるというようなことを。ペンで書くことの重要性を。
そういえば先日、時空の集まりで3年前にやった本公演のあらすじが思い出せず、その場の誰もがはっきりと記憶していなかったのだ。誰かが、書いた者が覚えてるやろというのだが当の本人が定かでない。笑い話のようだが、昔書いたものは結構覚えていたりするのに出てこない。これも手書きを止めた弊害なのだろうか。メモ帳に書き込んだシーンなんかは先ず忘れない。体を使わなければいけないのだと痛感する。頭の中で考えて、えーっと漢字はこれでよかったかなと辞書を引く、指先で字を作っていく、ボタンを押すのではなく形を作る。この作業はしごく重要なことだと改めて思った。生活の中でもどんどん記憶が曖昧になっていく。ひょっとして病気じゃないのかしらと怖くなることすらある。これからはそういうこととの戦いなのだろうか。いや、何も戦ってなぞいないのだ。
塔2点(昨日撮影)